笛と写真と太鼓のうまれたところ

笛と写真と太鼓のうまれたところ

2017年4月28日
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「80センチメートルくらいの葉っぱがついた笹がほしい」

東京を出発した笛演奏家・あかる潤さんからのメッセージ。
4月22日、23日に行われた「郷音春祭り」の前日21日の朝のこと。


潤さんとの舞台はいつもこんなふうに始まる。
立て続けに送られてくる曲のイメージ。

「太鼓のボーンが8秒くらいの間隔で!」
「参加する笛の人の音10息」
…とまあ、こんな感じでスタートした潤さんの
「笛がうまれるところ」。

すでに22日の夜のアトリエトーク&ライブの
曲目も決まり、プログラムも決定して、
リハーサルも完了しているのだけれど、
「ハイ、やりましょう!」と全てのプログラムを動かす。

こうやって、
あるとき、突然おりてくるイメージを
すごく大事にしたいなと思う。

私自身が、
「それはできない」
「そんなの出来るわけない」と
言われると、途端にツバサが閉じて飛べなくなる鳥のような
人間だから。

こうやって、
長い間、彼女とは一緒に場を創って来た。

私は彼女のつくる舞台の演出が好きで、
ずいぶんと昔から
潤さん企画の舞台にも出演させて頂いている。

樹をテーマにした舞台や、
琵琶演奏家の方と「雨月物語」をテーマにした舞台、
上野の大仏さんの前での即興演奏。
ベトナム公演のための舞踊と殺陣と和太鼓の舞台。

個性的で独自の世界を持つ人たちとの舞台は
舞台はナマモノという言葉がピッタリの世界。

それゆえ、
実はよくケンカもするのだけど(笑)。

今回は、舞台となった「郷音舎」(さとおとしゃ)の
こじんまりとした会場に不似合いなほどの
大量のスタッフ陣が何週間も前から
2日間の全プログラムを動かしてくれている。

だから、私、潤さん、そして、素晴らしい写真で
場を創ってくれた平松俊之君も、
舞台だけに集中できた。

これは、なによりも、ありがたいことだった。

これが写真家・平松俊之くんの作品展の一部。

私は、彼の写真も大好きで、
彼が初めて舞台撮影をした時に
受け取った写真を見て受けた衝撃を今も覚えている。

それまでファッション関連の撮影がメインで、
舞台写真家ではなかった彼が、
それ以来、あらゆる舞台の撮影を手掛けて
数々の雑誌の撮影もこなし、

そして、今回、今度は舞台写真家ではなく、
「写真家・平松俊之」としての
写真展が生まれる瞬間にも立ち会うことが出来た。

テーマは「禅のこころ」。

彼は、いわゆる写真の学校や師匠を持たないのに、
カメラ愛好家の方のファンが多く、
舞台人にもファンが多く、
人脈とかではなくて、本当に写真だけで勝負している
異色の写真家。

潔い。

「禅」が
そんな彼の今後の一生の師となるような、
そんな印象すら受ける程に傾倒している姿を
トーク&ライブでは感じることが出来て、
興味深かった。

だって、座禅コーナーまであるんだもの!!

こんな個性的で
素晴らしいメンバーたちとの共演は
まるで、一夜の冒険のよう。

人間の身体のリズムを探って創っている「仕事唄シリーズ」、
潤さんのひいおじいさんでもある作曲家・弘田龍太郎氏の作品群のメドレーから
スタート。

第2部の潤さん初演の「笛のうまれるところ」では、
ロウソクに照らされた平松君の写真を背景に、
22日の昼間に行われた篠笛ワークショップの参加者らが、
会場のあちこちで風のような音を出して場を創りあげ、
潤さんが舞を舞う。

お客様と演奏者ら全員で唄を唄って倍音を生み出したり、
さいごは、全員、拍子木、木しょう、ささら、棒ささらなどの
楽器を持って、おめでたい大黒柱の仕事唄を奏でた。

この場はもう二度と来ない。
繰り返し再生できるビデオや映像とちがう
人と人とで創り上げる生の舞台。

この面白さをお客様とともに
存分に味わえた舞台でした。

会場では、
手作りのおこわとデザートが
皆さんにふるまわれました。

近隣の方が採れたてのタケノコとわらびも
煮て持って来て下さって、
みんなで味わいました。

なんだか、近所の寄り合いみたいな
神社で集まってご飯をみんなで食べているみたいな
直会みたいな、
そんなアトリエトーク&ライブ。

きらびやかな色のついたライトに照らされたステージも
好きだけれど、それがなくても、むしろ、
それがないから描ける世界があると
感じた貴重な体験でした。

ご来場下さったみなさま、
そして、スタッフをつとめて下さった沢山の皆さん、
ありがとうございました!

(舞台写真:平松俊之)

2017.4.22-23
郷音春祭り アトリエトーク&ライブ
写真家・平松俊之写真展「禅のこころ」

出演:平松俊之/太鼓唄 七海
ゲスト:あかる潤
助演:さとおと太鼓研究会

その他、郷音春まつりで行われた7つのプログラム
https://www.satootohibiku.com/single-post/2017/04/27/2017郷音春祭り、ありがとうございました!

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