やたらと時間がかかる 兵庫県 三木市 シゴトウタナミ

むかしの仕事のなかで唄われていた「しごとうた」。
現在は唄われていない唄の数々を掘り起こして
子どもから大人までが楽しめる音楽作品としてよみがえらせるため、
各地を歩いて工房を訪ね、むかしの仕事を体験している太鼓唄 七海。
そんななかで出会った沢山の人々。
たくさんの日本の美しいもの。

お母さんと子どもの図のようですが、
右側がわたし、左側が仕事唄の専門メンバー。

いっしょに回しているのが
木臼です。


2017年10月に行われた「和楽会」では、ほらこの通り
写真一番右端の足元あたりにぽつんとあるのが「石臼」。

けいこ場のある付近だと、田んぼのあぜ道にこの石臼らしきものが
落ちていたりしますが、さすがに木臼は木だけあって、
落ちてはいません。

石臼と木臼では、回す音がぜんぜん違います。
石臼は、とても重いので、豆や米も、粉々になります。

一方、木臼は、軽やかです。

このちがいに気付いて下さって、
私が再現しようとしていた唄が唄われていた時の臼はこれじゃないか、と
教えて下さったのは、
「農村にしごと唄ワークショップ」の時にご一緒し
木臼作りまで手配して下さった仲上さん。

なかは、こんなふうになっています。

さて、この臼を使って唄っているのが、
もみすり唄。

民謡として唄い継がれているもののなかにも
「もみすり唄」はありますが、
今回、とりくんだのは、現在はもう唄われていない
淡路のもみすり唄です。

可愛らしい歌詞からして、
私は女性が大勢で唄っていたんだろうと
勝手にイメージしていましたが、
いろいろと調べていくうちに、
男女が向き合って臼をひいたりして、
愛を育むひと時でもあったようです。

こうやっていたんだろうか?
女性2人で唄いながら試してみます。

もみすりを実際にするまでは、
この唄はとても速く唄っていましたが、
やってみると、そんなに速くは唄えません。

ゆっくりと確かめるように
ごとりん、ごとりん。

し、しかし…
現代人の私たちは、愛を育む余裕がなく、
この有様。

木臼でひいた米を籾殻と米とに分ける作業中、
米自体があちこちに飛び散ってしまうのです。

そして、
8人がかりで、一日かかって、まともに精米できたのが
一合…というおそろしい結果を生み出したのでした。
その日の夕食時、参加者全員で、ごはんを一粒一粒
味わいながら頂いたのは言うまでもありません。

環境教育事務所Linoworksさん、
参加者の皆さん、ありがとうございました。

つづく…