BLOG おしらせ

作曲家と演奏家による組太鼓・新作公演vol.1 ありがとうございました。

更新日:

みなさん、いつもありがとうございます!
七海です。

2019年11月2日(土)、初企画「作曲家と演奏家による組太鼓・新作公演vol.1」を無事に開催させて頂くことができました。私がこの兵庫の地に拠点を移してから、数多くの地元の皆様に助けられてここまで来れたことと、今回の公演でも沢山の方々に支えて頂きましたことに、心より御礼申し上げます。
ありがとうございました!

当日、フライヤーの版画をご提供頂いた菅原はじめ様からも大きな激励メッセージを頂き、宮沢賢治氏の作品をテーマにさせて頂けたことにも、深い感謝の気持ちを抱きました。

早速、昨夜の舞台を写真家・平松俊之氏に撮影して頂きましたので、お楽しみ頂きたいと思います。

今回は、作曲家・高橋久美子氏に委嘱した作品「風の太鼓〜インドラの網(宮沢賢治作)によせて」の神戸初演を中心に、3つのまったく異なる世界観を持つ太鼓音楽を聴いて頂きました。


作曲家・高橋久美子さんの作品についてのお話

和楽器と洋楽器のちがいなども分かりやすく解説して下さった、興味深い素晴らしいお話でした。
高橋さんには、東京からお越し頂き、神戸の稽古場から今回、特別出演した子ども達(天の子ども達役)にもご指導頂きました。

「風の太鼓〜インドラの網(宮沢賢治作)によせて」笙の中村華子さん
天から降り注ぐような美しい音色にお客様も聴きほれていらっしゃいました。


「風の太鼓〜インドラの網(宮沢賢治作)によせて」笛のあかる潤さん

篠笛、能管、龍笛の3本を持ち替えて演奏頂きました。
それぞれの音色でみごとに情景を描いて下さいました。

「風の太鼓〜インドラの網(宮沢賢治作)によせて」3人の天の子どもたちと郷音舎メンバー

演奏後、きっと宮沢賢治氏の作品を本屋に買いに行かれた方もいたのでは?と客席から見守ってくれていたスタッフの1人が話してくれました。

宮沢賢治氏は、ベートーベンやドビュッシー、その他大勢のクラシックの作曲家たちの作曲作品を、コトバで表現することに長けていらしたそうです。
きっと、そのコトバを頼りに、クラシックに馴染みのない皆さんも音楽への扉を開くことが出来たことでしょう。

そんな宮沢賢治氏の作品を今度は、作曲家の高橋さんが、コトバをなるべく使わず、音だけで表現して下さった本作品。
インドラの網には、青木晃という研究者(発掘などをしていた)と、天人、天の子ども達が登場します。子ども達は、タクラマカン砂漠から発掘された「有翼の天使」の壁画がモチーフだということで、実際には于闐(コウタン)大寺ではなくミーラン遺跡なのだとか。
有翼の天使の写真を見てみましたが、なかなか可愛らしいアジアン天使みたいな感じでした。
登場した子ども達と天使が重なりました。

それぞれの首に巻いているのは、じつはお母さんのスカーフなんですよ。
最初はわたしの衣装の中からスカーフを巻いていたのですが、あつい、とか、ちくちくする、とか言って、すぐにとってしまうのです。
ただ、なぜかお母さんのスカーフは、みんなちゃんと巻いていましたね。
とっても不思議です。きっとお母さんのにおいがするんでしょうね。

自分の佇む風が吹いている草原と、天の空間とのあいだを行き来する感覚。
赤いこけももの花、苔、白い湖、美しい石の数々。
それらひとつひとつが、音に変換されています。

情景、心情、いっさいを音のみで描いていただくとき、和楽器の大きな可能性というものが、キラリと光った気がします。
私自身、宮沢賢治氏、そして高橋久美子氏の作品に関わることができて、ただただ本当に幸せでした。

そして、第2部は、郷音舎「みずほの国の米のうた」からスタート。


郷音舎「みずほの国の米のうた」

郷音舎の稽古場あたりの地域は、神出(かんで)と呼ばれ、周囲も「古神」など、地名に神のつく字が多い場所です。雄岡山、雌岡山がうしろにそびえ、周囲は田園地帯です。
また、このあたりは、水を確保するのにたいへん苦労された地であり、約100年ものあいだ、水をひくために地域の方々が争い合って水を奪い合ったり、そんななかで、1人の村人が自分ひとりで水をひく計画を立てて、それを実行に移す間に、村の皆さんが総出で動いたり、争い合っていた隣同士の村々が手をたずさえて協力して初めて水をひくことが実現した実話があります。

つい近年まで雨乞いが行われていた地域であり、また、この地の芸能のなかには水争いをおさめてくれた方への感謝の念を表すところから生まれたものもあります。

子ども達も参加してくれた稲虫おくりは、長野県の稲虫送りと、兵庫県三木市にのこる稲虫送りを同時にかけ合わせて子ども達が取り組んでくれました。実際に、稲の虫を追い出すために、子ども達が太鼓や鉦を手に田んぼの周りを歩いてまわっていたそうです。

山本麻琴さん「阿修羅」

2部の最後にご登場頂いたのは、組太鼓の創始者であり、日本や世界にも組太鼓というスタイルを広めて行った和太鼓の世界にいる方なら誰もが知っている故・小口大八氏のお孫さんにあたる山本麻琴さんです。

今回は、大勢で太鼓を打つ複式複打法というスタイルではなく、1人で多くの太鼓を操る単式複打法というスタイルのもと、「阿修羅」を演奏頂きました。(打法については、国立劇場「日本の太鼓」で日本中の和太鼓を紹介されていた西角井正大氏が考案されたものです)

5台の太鼓を1人で操る本作品は、一子相伝で、麻琴さんのみが小口大八氏から直接に受け継いでおられます。麻琴さんは2歳半からお祖父さん、お父さん、お母さん共に和太鼓奏者という環境で育ち、初舞台は、オーストラリアの数万人のお客様の前だったと伺ったことがあります。

日本中だけでなく、世界中に組太鼓の団体が存在し、多くがこの麻琴さんのご一家と関わっていらっしゃったり、そこから派生されたり、影響を受けたりして発展して来た経緯があります。

山本麻琴さん「阿修羅」

さすが麻琴さん、大迫力の演奏に、声援が飛びました。
私は、麻琴さんの演奏を、麻琴さんが小学生時代から拝聴していますし、小口大八氏、山本幹夫氏の演奏も拝聴しています。
だから、麻琴さんの演奏が、いま、お祖父さん、お父さんのお二方とはまた全然ちがう領域に差し掛かっていらっしゃることも感じ、今回は、麻琴さんに、作曲家・高橋久美子さんの作品を聴いて頂きたい気持ちもありました。

小口大八氏もまた、多くの音楽家や作曲家の皆さんと共に、日本や世界の人々を魅了する素晴らしい活動を続けて来られた方ですから、その次の一歩をぜひ踏み出して頂き、和太鼓の世界を、次の領域に高めていくような音楽活動が共に出来たら嬉しいなと考えています。


司会をつとめて下さった仲上美和さん

優しい語り口調で、舞台と会場を穏やかに繋いで下さいました。
美和さんとは、「農村にしごと唄ワークショップ」でもご一緒させて頂き、彼女のご専門の現場で、そのコーディネイト力の素晴らしさと、ハードな企画も1人でこなしてしまうバイタリティ、自然を愛し、自然とともに生きていくお姿をそばで拝見してきました。

私が日本の仕事唄を追求していくなかでは、欠かせない存在の美和さん。
日本のうたもリズムも、農業の隣にあります。

そして心温かい素晴らしいお客様に恵まれ、会場は温かい雰囲気に包まれました。
本当にありがとうございました。

関わって下さった皆様全員に本当に大きなご理解、ご協力と、ご指導を頂き、私自身も郷音舎メンバーたちも、さとおと太鼓研究会も素晴らしい学びの機会を頂きました。

今後とも、ますます精進して参ります。
どうぞ宜しくお願い致します。

[今回の舞台でお世話になった皆様]

作曲家・高橋久美子さん 公式ウェブサイト

笙演奏家・中村華子さん  公式ウェブサイト

笛演奏家・あかる潤さん 公式ウェブサイト

太鼓打師・御諏訪太鼓伝承者 山本麻琴さん 御諏訪太鼓公式ウェブサイト

司会:仲上美和さん 環境教育事務所リノワークス

写真家:平松俊之さん 公式ウェブサイト

版画:菅原はじめさん
協力:林風舎さま/諏訪響太鼓店さま

舞台監督:荒木綾仁(神戸国際ステージサービス)さま
音響・照明:総舞舎有限会社さま

主催:郷音舎

・湊川神社・神能殿さま
・岩手県花巻市の各施設の皆様
・盛岡さんさ踊り保存会の各団体の皆様

●公益財団法人神戸文化支援基金さま
●神戸市芸術文化活動さま

【後援】
(公財)兵庫県芸術文化協会さま
神戸市民文化振興財団さま
株式会社サンテレビジョンさま
ラジオ関西さま

わたしはまた、次の一歩を踏み出します!
ありがとうございました。
今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
七海

-BLOG, おしらせ

Copyright© 七海Official website , 2019 All Rights Reserved.