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「インドラの網」とは〜「風の太鼓」11月神戸初演-4

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Photo:Toshiyuki Hiramatsu

七海です。
いろいろなことがあるたびに、当たり前と思っていた日々が、
どれだけありがたいのかを、教えて頂いています。
このたびの台風で大変な思いをなさっている皆様に、
はやく心の平安が戻ってくることを、心からお祈り申し上げます。

さて、いよいよ11月2日の風の太鼓公演を目前にむかえ、
各地で最終リハーサルが行われています。まずは、公演の表題作でもある「風の太鼓〜インドラの網(宮沢賢治作)によせて」の東京リハーサルが、新宿区にて行われました。

作曲家・高橋久美子さんは、2018年にCD「Crossroads vol.3 解体新譜「作曲家 高橋久美子×尺八考」において平成30年度(第73回)文化庁芸術祭レコード部門優秀賞を受賞された作曲家です。

高橋さんは2000年にニューヨークでの舞台「Buto Zen Performance & Zen Sound with Bamboo Flute」の音楽を担当なさって日本の音楽を意識するようになり、その後の作曲活動に邦楽器が大きな影響を及ぼすことになったとのこと。さまざまな邦楽器によせた作品を作曲され、和楽器演奏家、愛好家からも絶大な人気を誇る方です。

今回は、宮沢賢治氏の作品「インドラの網」を組太鼓、笙、笛、そして金属や木製の楽器を交えた編成で描いて下さいました。

演奏させて頂くのは、私・七海と、この兵庫の地で、郷土芸能の調査や記録、継承、作業唄の発掘などを共に行っている郷音舎(さとおとしゃ)のメンバー達です。

そしてゲストとして笙演奏家・中村華子さん、笛演奏家・あかる潤さんが東京より駆けつけて下さいます。お二方とも、和楽器演奏家として第一線で御活躍の素晴らしい演奏家です。


そして、この新作を取り囲むように、あと2作品が登場します。
まずは、この組太鼓(くみだいこ)という分野を切り拓かれた創始者である長野県の故・小口大八氏のお孫さんにあたる山本麻琴さんによる「阿修羅」という作品。

これは、いまや日本全国にある和太鼓グループなどの和太鼓のみの音楽形態そのものを生みだされた方の作品に敬意を表するとともに、小口氏が音楽家・喜多郎氏や、ジョージ川口氏、アートブレーキー氏といった多くの音楽家と向き合いながら生みだされて来た作品と、現時点で、最も新しい作曲家による新作「風の太鼓」とをぜひ皆さんに対比して聴いて頂きたいと思いました。

そして、「みずほの国の米のうた」は、私自身が、この地で郷土芸能を継承しながら、その芸能が育まれて来た場所である農業に深く関わらせて頂き、うたを歌いながら作業をしていた頃の情景を再現するなかで、歌と人間の身体のリズムを組み合わせ、繋ぎ合わせて創ったひとつの世界観です。

3つのルーツのまったく異なる作品に共通しているのが、「和太鼓」そして「うた」という部分です。

「たいこ」は世界中どこにでもあります。
人と人を繋ぎ、人と天、人と大地を繋いできた「たいこ」。

たいこを見れば、そのたいこが生まれた土地がすぐに分かります。
革は、その地に生きる動物から頂いたものです。
そして木も、その地に生きる樹木から頂いたものです。

日本では、太鼓や琴など、中空のものに魂が宿ると考えて来たそうです。
発掘された縄文時代の埴輪も「たいこ」や「こと」を持っています。
戦国時代には軍楽となったり、神社にも寺院にも、
人々に時を知らせるのにもたいこは欠かせない楽器でした。
祭りにも、盆踊りにも、故郷の踊りや芸能にもたいこは必ず登場します。

そして、私は長い間、このたいこを持って打ち鳴らすリズムが、なぜ土地によって異なるのかを追求し、「作業唄」に出会い、そこから仕事をする人間のカラダのリズムを調べ始めました。
農業、漁業、林業、農閑期の作業であるはた織り、酒造り、そうめんつくり。。
寒い地の人の身体の動きと、温かな地の人の身体の動き、持っているリズムや音の特性が全く異なることに気付いたことがとても大きなきっかけでした。

そして、世界にあるたいこが、その地の命を頂いて、すべて異なる音や特性を持ち、そこから生まれた音楽が異なるように、人間もまた、生まれ育った環境に影響を受けて異なるリズムと歌を持ち、異なる価値観を持っている。ちがうのは、そこだけではないかと考えるようになりました。


さて、風の太鼓の題材とさせて頂いた宮沢賢治氏の作品「インドラの網」の文中には具体的に登場しないのですが、じつは、インドラの網とは、仏教の守護神「帝釈天」が住む城の庭にかかる網のことです。この網の結び目には宝玉が連なっていて、互いに他の宝玉の姿を映し出しています。

ひとつの宝玉は、他のすべての宝玉を無限に映し出し、
そしてすべては、ひとつの宝玉のなかに存在する。

もしひとつの宝玉でも欠ければ、全体も成り立たない。
だから、この網はひとつの宝玉によって成るとも言えます。

神戸初演当日は、なんと作曲家・高橋久美子さん自ら、神戸までお越し頂き、
作品についてのお話をして下さいます。

多くの皆さまの支えで、この公演が成り立っていることを、改めて実感して感謝しています。
皆さまのご来場を心よりお待ちしております!

宮沢賢治「インドラの網」(青空文庫)
https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/460_42328.html

 

作曲家と演奏家による組太鼓新作公演vol.1

風の太鼓〜インドラの網(宮沢賢治)によせて(高橋久美子作曲)

山本麻琴「阿修羅」(小口大八作曲)
「みずほの国の米のうた〜兵庫の作業唄より」(作:足立七海)

◆日時:2019年11月2日(土) 開場17:00 開演17:30
◆場所:新長田勤労市民センター別館・ピフレホール(兵庫県神戸市)
JR/新長田駅、神戸市営地下鉄/新長田駅より徒歩1分
山陽電鉄/西代駅から徒歩7分

◆入場料:前売2500円/当日3000円/未就学児膝上無料

◆出演:足立七海(太鼓・うた)・創作和楽団「郷音舎」

◆ゲスト出演:あかる潤(笛)・中村華子(笙)・山本麻琴(太鼓)

舞台監督:荒木綾仁(神戸国際ステージサービス)
音響・照明:総舞舎有限会社
スチール撮影:平松俊之

【チケットの発売場所】

●郷音舎(まとめてのお申し込み受付も致します)

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【風の太鼓公式ウェブページ】

風の太鼓2019公式ページ

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